DNS切替は、サーバーリプレイス(サーバーの引越)の時に行う作業です。DNS変更とも言います。
DNSは、インターネット上の住所であるIPアドレスと人間が覚えやすい為の「名前」であるドメインを紐づけする(名前解決)為のシステムです。そのFQDNに対応するIPアドレスを変更して、別のサーバーへアクセスを切り替える設定変更をします。DNS切替を行う事でサーバーリプレイスやWebサイトリニューアルの際の最終段階(本番化)でサーバーの引越を完了します。
DNS切替というとDNSを別のDNSに切り替えることと思うかもしれませんが、DNSに登録されているゾーン情報を更新して案内先のサーバーを変更することになります。
尚、そのドメインについて参照されるDNSを別のDNSに変更するのは、「ネームサーバーの変更やネームサーバの移転」と言います。
DNS切替の設定
DNSの切替は、ネームサーバーに登録してある目的ドメインのゾーン情報(DNSレコード)を更新して切替します。DNSレコードは、誤った登録をしてしまうとWebサイトにアクセス出来なくなってしまったり、メールが正しく届かないなどのトラブルの危険性があるので、ある程度知識が無いと更新できません。その為、この作業は弊社で行います。
DNS切替の設定に必要なログイン情報
弊社でDNS切替を行う為に、そのDNSレコードを更新する必要がございます。その際に、その変更画面へアクセスする為のログイン情報が必要です。
弊社でドメインを管理している場合
当然ながらログイン情報は不要です。また、お客様には弊社で他社ドメインと一括管理している関係でログイン情報をお知らせすることは出来ません。
レジストラのDNSやレンタルサーバーで用意されたDNSを利用している場合
お名前コムやバリュードメイン、名付けてネットなどドメインを取得したレジストラで提供されているDNSを利用している場合やレンタルサーバーで用意されているDNSを利用している場合は、コントロールバネルへのログインID・パスワードをお知らせください。
ネームサーバーサービスを利用している場合
名付けてねっとのDNSアウトソーシングの様なその事業者で取得していなくてもネームサーバーを利用できるサービスを利用している場合、そのサービスへのコントロールバネルへのログインID・パスワードをお知らせください。
独自にDNSサーバーを稼働している場合
DNSサーバー用のソフトウェアであるBINDを使って独自に稼働している場合は、そのサーバー管理者様に依頼するのが適切です。弊社でもBINDの設定等は可能ですが、その場合root権限等のアクセス権限が必要となります。
DNSレコードとして登録されているもの
DNSレコードは、取得した独自ドメインとそのドメインのサブドメインに対するIPアドレスの対応表が設定されています。メールの転送先もここで指定します。それ以外にも、SPFレコードやドメインの所有を証明する為の認証コード等も登録する場合がございます。
DNS切替のタイミングについて
DNS切替をするタイミングは、本番化した際に不具合が発生してもなるべく影響が少ない日時が望ましいです。サーバーリプレイスの際は、しっかりと検証作業を行いますが、それでも新しいサーバーに切り替わったタイミングで想定しなかった不具合が絶対に出ないという事はありません。
影響が少ない日時に行う事で影響が大きい日時までの間に、その不具合の修正対応を行う時間的余裕が確保できます。
DNS切替をするのに望ましい曜日・時間帯
お客様の事業形態により異なりますが、金曜の深夜又は日曜の深夜が望ましいです。
BtoB向けの事業の場合は、金曜深夜が望ましいでしょう。それは土日のアクセスが少なくなるからです。またBtoC向け事業の場合は、日曜深夜が望ましいでしょう。
深夜帯(0時~2時くらい)は全体的にアクセスが少なくなるので、この間にDNS切替することで万が一の不具合が出ても、影響が軽微で済むことが多いです。原因追及→修正までの時間的余裕があり朝までに修正することができます。
弊社では通常業務の場合、土日・深夜対応など基本的に行っておりません(行う場合は、特別対応費をいただきます)が、DNS切替については土日・深夜対応を標準対応としております。
DNS切替の時に起こるプロバケーションの影響
サーバーリプレイス時に考慮しなければならないのが、プロバケーションという現象です。これはDNSの仕組み上新旧どちらのサーバーへアクセスされるのか不安定な状態の事を言います。
DNSは分散型データベースなので、DNS切替直後はインターネット上に分散されているDNS全てが新しいサーバーの場所を示す訳ではなく、古いサーバーの場所を回答してしまうDNSサーバーが存在します。DNS情報はTTLという情報の有効期限が設定されているので、期限切れの情報は新しい情報を取りに行く仕組みですが、必ずしも設定通りの時間で更新される訳ではなく、特にバージョンの古いDNSソフトを利用しているDNSサーバーは古い情報を持ったままの場合があります。また、ISP(インターネットサービスプロバイダ)にょっては、TTL設定を無視し、そのキャッシュされた情報だけを2〜3日に一度更新するという対策※を施している場合もあります。
※キャッシュDNSサーバーの更新頻度を減らすことで、トラフィックを減らしてインターネット閲覧速度を早くする為の対策
以前に比べてDNS情報が新しい情報に切り替わるまでの期間は短縮されましたが、それでも48時間はプロバケーションの影響を見ていた方が良いと言われています。48時間、つまり2日間は新旧どちらのサーバーへアクセスされるのか不安定な状態が発生すると考えた方が良いでしょう。
プロバケーションで起こるメールへの影響
プロバケーションで起こるウェブサイトへの影響
プロバケーションはウェブサイトへの影響もあります。ただし、ウェブサイトの性質によっては、その影響は軽微です。弊社ではサーバーリプレイスするお客様のウェブサイト及びその業務になるべく影響が軽微となる様な適切な対策を取っています。
DNS切替前後のウェブサイトについてのお願い
DNS切替前後、お客様のウェブサイトで次の事をお願いする場合がございます。
DNS切替前後の更新の停止
頻繁な更新がある場合、新サーバーと旧サーバーのデータの不一致が発生してしまう為、DNS切替前後の更新をストップしていただく場合がございます。その場合の更新停止期間は、お客様との協議の上、事前に決定させていただきます。
DNS切替時のメンテナンス中の表示
新サーバーと旧サーバーのDBデータの不一致の防止の為や、DNS切替直前のデータベースを同期する作業を行う為など、DNS切替前後に一旦ウェブサイトをメンテナンス中表示とさせていただく場合がございます。メンテナンス中表示する時間は、ウェブサイトの性質によって異なります為、一概に応えることはできませんが、おおよその時間はお知らせすることが出来ます。