以下の手順は、当社の共用サーバやサーバー保守、サーバー初期設定サービスをご利用された場合のメール設定マニュアルです。
ThunderbirdでPOP3受信で設定したアカウントをIMAP受信に切り替え且つ、POPで受信してメールやフォルダをひき継ぐ手順です。
尚、過去のメールやフォルダ分けが必要無いという場合は、こちらの手順は必要ありません。
IMAPとPOP3では、その受信方式が異なる為、こちらのバックアップ方法は利用できません。
POP3では、ローカル(ご利用中の端末)にメールが保存されて、その保存形式はご利用中のメールクライアントソフト(Thunderbird)に依存します。対してIMAPの場合は、その階層構造(フォルダ分け)も含めてサーバー上に保管されて、メールクライアントソフト(Thunderbird)は、サーバー上に保管されたデータと定期的に同期します。この受信方式の違いから、Thunderbird側でもデータの保存場所や保存形式が異なるので、POP受信したデータをそのままIMAPで利用する事が出来ないのです。
参考の手順は、Thunderbird バージョン115を利用しています。
Thunderbirdのバージョンによって、設定手順が異なる場合がございますが、設定する項目に変わりはありませんので、この手順を参考に設定してください。
サーバーリプレイス時を機にIMAP受信へ切り替える場合は、こちら手順でバックアップ・復元を行ってください。
サーバーリプレイス(サーバーの引越)を機会にIMAP受信に切り替える場合は、この手順でアカウント追加→従来サーバーのメールアカウントから新サーバーのメールアカウントへのメール移動を行います。
メッセージフィルタの設定は、やり直しとなります。
POP用のフィルタはローカルフォルダ(受信トレイなど)を対象 に作られています。IMAPではサーバー上のフォルダ構成 を使うため、POPで指定していた「対象フォルダ」や「アカウントパス」が一致しなくなります。ThunderbirdはPOPとIMAPを別アカウントとして扱うので、メッセージフィルタの設定をひき継ぐことが出来ません。
個別アカウントのThunderbirdのメールをバックアップ
先ずは、バックアップの方法です。POP3受信と異なる点は、エクスポート機能を使ったり、データフォルダをコピーする方法では無く、一旦、受信したメール(フォルダ含め)をローカルフォルダに避難させる事です。
Thunderbirdを起動
「ローカルフォルダ」を選択して右クリック→「新しいフォルダー」をクリックします。

フォルダ名を入力して、「フォルダーを作成」をクリック
ローカルフォルダに作成したフォルダが出来ている事を確認します。
現在アカウントの受信トレイから、親フォルダ全てを、作成したバックアップ用フォルダにドラックします。

受信トレイ内に残っているメールを全て選択して、作成したバックアップ用フォルダにドラックします。
メールの最初を選択、Shiftキーを押しながら範囲の最後をクリックすると範囲選択が出来ます。

設定完了すると、サーバーに残っているメールが全て受信されます。
メールの中には、この後復元するメールと重複するものがございますが、一旦そのままにしてバックアップしたメールの復元を行ってください。

バックアップしたメールを復元(元のフォルダ構成に戻す)
アカウントをIMAP受信の設定で追加します。
設定の方法は、こちらをご覧ください。
手順5では、IMAP受信タブをクリックしてください。バックアップしたフォルダに記号が使われていないか戻す前にチェック。
POP3受信のメールをバックアップしたフォルダの中で記号が使われていないか?をチェックしてください。POP3では問題の無かったフォルダ名も、IMAPだとエラーの原因となります。こちらにある文字は、基本的に全て使えません。使っている場合は、そのフォルダ→名前の変更でフォルダ名を変更してください。

設定したアカウントにバックアップ元の親フォルダと同じ名前のフォルダを準備
受信トレイから第1階層のフォルダのみ手動で準備します。

バックアップしたフォルダを選択して、右クリック→「別のフォルダーにコピー」

コピー先は、手順2で用意した同名フォルダを選択します。

バックアップ側の受信トレイのメールは全て選択→右クリックして「メッセージをコピー」→設定アカウントの受信トレイを選択
受信トレイには、既にIMAPアカウント設定で受信したメールが受信されていますので、同じメールが重複します。(内容は、同じメールでもメールソフトでは同じ扱いにはならない)
必要ならば、重複したメールはどちらか(どちらでも良い)を手動削除してください。
ここで、コピーした内容(フォルダ含めて)は、サーバー上のメールボックスでも同じ内容で同期されます。同じアカウントをIMAPで設定した別の端末でも、この時点での受信メール・フォルダ階層が反映されます。
[NONEXISTENT]Mailbox doesn't exist: INBOX,フォルダ名 のエラーが表示されたら
このエラーは、サーバー側からそのフォルダが存在しない、メールボックスに作れないという内容のエラーです。サーバー側の設定が原因で発生する事もありますが、ユーザー側の原因としては
- 「フォルダの名前に使ってはならない文字」が使われている
- フォルダの名前を修正してください。
- 「フォルダ削除の直後」「リネーム直後」
- Thunderbirdがローカルキャッシュで存在しないフォルダを参照してエラーを出します。Thunderbirdを再起動すると解消します。
また、フォルダ削除しても、そのフォルダが消えない事がございます。この場合も、Thunderbirdを再起動すると解消します。
必要ならば、メッセージフィルタを再設定
POP3受信で作ったメッセージフィルタは、IMAP受信に引き継ぐことが出来ません。(設定ファイルを直接編集するという方法はありますが、難易度が高いです。)
従って、再度面倒ではございますがメッセージフィルタを再度設定し直してください。
メールアカウント追加設定がうまくいかない場合は
ご利用中のメールアカウントの設定がうまくいかない場合は、先ずこちらをご覧ください。
上記ページに記載されている内容を見直しても解決しない場合は、当社までお問合せください。
尚、ご利用中のサーバータイプや、保守サービス、ご利用サービスによってサポート対応が異なります。詳しくは、以下をご覧ください。